黒口村(近世)
江戸期の村名｡肥前国彼杵郡のうち｡大村藩領｡外海【そとめ】地区に属す｡天久保村に属する村｡｢大村郷村記｣には｢天久保村之内黒口村｣として天久保村に属しながら天久保村とは別項に記載している｡村高は,文久2年内検高101石余,うち田高92石余･畠高8石余(大村郷村記)｡｢大村郷村記｣によれば,文久2年の村況は,東西25町･南北13町,広さ390町余,うち田地9町余･畠地16町余(うち切畠12町余)･山林野363町余,内検高の内訳は蔵入地15石余･浮地30石余･私領55石余,年貢上納は米82俵余･小麦35俵余･楮苧48貫目,竈数85,上り地百姓10･私領75,人数397(男208･女189),宗旨別人数はすべて真宗,牛78,運上を納める諸職業の軒数は糀屋株1･綿弓株1･染屋株1･問屋株1･鍛冶屋株1･揚酒株1など,販売商品として鮪網縄･櫨･楮をあげ,村内には黒口浦などがあり,船数15,寺院はなく,神社は正観音社などがあると記される｡｢旧高旧領｣には村名が見えず,明治初年までに天久保村の一部となった｡
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(C)角川日本地名大辞典｢旧地名｣
JLogosID:7448057
最終更新日:2009-03-01