ケータイ辞書JLogosロゴ 玉之浦町(近代)


長崎県>玉之浦町

 昭和8年〜現在の南松浦郡の自治体名。大字は編成せず。村制時の行政区を継承。世帯数・人口は昭和10年2,220・9,829,同25年1,672・7,704,同45年1,285・4,390,同55年1,168・3,305。良好な湾と近海に好漁場を控え,漁業により成立した町で,大正中期には四国・九州各県からの漁船の根拠地となった。特に徳島の底引網船団で繁盛した。しかし,消費地に遠いこと,漁船が近代的設備となり本土と離島との時間的格差をなくしたことなどから,昭和12年北九州の戸畑に根拠地を移したため,以後人口は激減し,同60年には1,172となった。玉之浦湾は,明治初期に軍港候補地に挙げられたほど広大で波静かなため,自然条件を利用して真珠養殖がはじめられた。また古くから天然真珠で知られ,良質の真珠が生産される。昭和53年の年間128tを最高に漸減し,現在30t前後の生産がある。また湾内で鯛の養殖を行い,鮮魚のまま宅急便で都市へ出荷している。ソテツの原産地は中国南部から南西諸島・奄美大島が中心で,御岳の白鳥神社社叢内の自生地は昭和27年県天然記念物に指定された。ヘゴ自生地は玉之浦湾口の島山島・矢ノ口・丹奈にあり,いずれも渓流のほとりに生えている。五島では大きいヘゴを鬼ヘゴと言う。矢ノ口のヘゴは標高100m以上のところに幅6m・延長200mにわたってヤブニッケイ・ヤブツバキ・ネズミモチの茂みの中に70本数えられる。島山島のヘゴは高さ7m・幹回り70cmのものが数本あり,茎先に約2mの羽状複葉をつける。昭和45年県天然記念物に指定された。丹奈のヘゴはリュウビンタイとの混交群落で,集落から2kmの標高100mのところに40株がある。昭和29年県天然記念物に指定された(五島編年史・長崎県文化財集)。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7448677
最終更新日:2009-03-01




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