五木谷(近世)
江戸期〜明治22年の村名｡球磨郡のうち｡明治初年頃からは五木村と称した｡人吉藩領｡村高は,｢寛永郷帳｣には｢田無山畑役無｣と見え,｢天保郷帳｣も無高,｢旧高旧領｣では｢五木村｣と見え14石余｡諸郷地竈万納物寄によれば,宝暦･明和年間頃の家数391うち郷士52･寺社5,安永3年改の人数2,429,享保6年改の反別は田1町5反余(斉藤氏所蔵文書/人吉藩の政治と生活)｡元禄年間に当地は頭地【とうじ】･下手【しもて】･三か浦･五人衆･十人衆の5地区に分けられ,江戸末期には地頭が33人いたが,地頭に対する人吉藩の待遇は単なる徒士侍にすぎない｡宝永7年に逆瀬川赤岩谷の銅山の採掘が始められた｡人吉県,八代県,白川県を経て,明治9年熊本県に所属｡｢郡村誌｣によれば,戸数436･人口2,840,牛70,馬323,田1町6反余･畑5,445町7反余･山林152町1反余｡なお,畑の反別が多くなっているのは焼畑を算入していることによる｡同22年市制町村制施行による五木村となる｡
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(C)角川日本地名大辞典｢旧地名｣
JLogosID:7450035
最終更新日:2009-03-01