大道村(近世)
江戸期〜明治22年の村名｡天草郡のうち｡砥岐組に属す｡はじめ肥前唐津藩領,寛永15年富岡藩領,同18年幕府領,寛文4年再び富岡藩領,同11年からは幕府領｡枝村に葛崎村･赤崎村･池浦村･唐網代村がある｡村高は,万治検地帳93石余(天草島鏡/天草郡史料1),｢天保郷帳｣121石余,｢旧高旧領｣123石余｡なお万治検地による天草郡石高半減以前の高は,各枝村を除き,｢正保郷帳｣で120石余うち田70石余･畠36石余･桑茶永荒13石余｡｢肥後国誌補遺｣によれば,｢当村ﾉ内赤崎ｸﾂ島･地ﾉ浦･虎綱･ﾅﾂｱｼﾛ･ｶﾂﾗ崎等ﾉ小村ｱﾘ｣と見え,竈数47･人数489｡また｢天草島鏡｣(天草郡史料1)によれば,天保4年の家数205･人数1,863,田が高80石余･反別12町6反余,畑が高41石余･反別10町2反余うち新田畑高28石余,氏神は太神宮,また｢漁方稼有之 但舸子廿四人｣と見える｡正保2年漁業の統制と運上取立てのため定浦制がとられ,はじめ7か浦であったが,万治2年,正徳年間と増設され,当村は万治2年にその1つとなり,加子役を負担した｡なお当村の庄屋は,明暦2年から砥岐組大庄屋となった樋島村庄屋が兼帯した｡富岡県,天草県,長崎府,長崎県,八代【やつしろ】県,白川県を経て,明治9年熊本県に所属｡同21年の戸数459･人口2,562うち漁業156戸,農業は自作125･小作178の計303戸(県公文類纂/県立図書館蔵文書)｡同22年市制町村制施行による大道村となる｡
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(C)角川日本地名大辞典｢旧地名｣
JLogosID:7450500
最終更新日:2009-03-01