ケータイ辞書JLogosロゴ 樋島村(近世)


熊本県>竜ケ岳町

 江戸期〜明治22年の村名。天草郡のうち。砥岐組に属す。はじめ肥前唐津藩領,寛永15年富岡藩領,同18年幕府領,寛文4年再び富岡藩領,同11年からは幕府領。村高は,万治検地帳72石余(天草島鏡/天草郡史料1),「天保郷帳」86石余,「旧高旧領」も86石余。なお万治検地による天草郡石高半減以前の高は,「正保郷帳」で115石余うち田45石余・畠25石余・桑茶永荒45石余。砥岐組を統轄する大庄屋役は,はじめ棚底村鬼塚七右衛門が勤めたが,寛永18年当村の藤田五右衛門に交替した。なお「天草島鏡」(天草郡史料1)によれば,天保4年の家数180・人数1,356,田が高39石余・反別4町6反余,畑が高46石余・反別11町4反余うち新田畑高14石余,氏神は権現宮,寺院は願乗寺,また「漁方稼有之 但舸子拾壱人」と見える。なお願乗寺(浄土真宗本願寺派)は元和4年の開基で,天保年間に観乗寺と寺名を変更し,天草上島砥岐組一帯の中心寺院で,多数の門徒を擁した。正保2年漁業の統制と運上取立てのため定浦制がとられ,はじめ7か浦であったが,万治2年,正徳年間と増設され,当村は万治2年にその1つとなり,加子役を負担した。富岡県,天草県,長崎府,長崎県,八代【やつしろ】県,白川県を経て,明治9年熊本県に所属。同21年の戸数329・人口1,987,うち漁業24戸(県公文類纂/県立図書館蔵文書)。同22年市制町村制施行による樋島村となる。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7453707
最終更新日:2009-03-01




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