ケータイ辞書JLogosロゴ 大里村(近世)


鹿児島県>市来町

 江戸期〜明治22年の村名。薩摩国日置【ひおき】郡市来郷のうち。村高は,「天保郷帳」では3,201石余,「旧高旧領」では2,445石余。「丹後局七社」があり,「土人の説に,丹後局鍋ケ城に在し時,建仁三年,鎌倉の七社を勧請し玉ふ」と伝える。7社は鶴岡八幡宮・御大明神社・今熊権現社・産湯稲荷大明神社・包宮大明神社・日吉山王社・安楽権現社,「今皆茅茨の小社なり……此内鶴岡八幡は,昔時は七社中の宗廟なりしとぞ」という。厳島大明神社は「丹後局御下向の時,海上風浪に逢ふ,因て誓願あり,建久年中,当社を勧請し玉ふ」と伝え,また当村の佐保井にも建久年中に丹後局勧請という厳島神社がある。寺院には曹洞宗万年山金鐘寺・弥陀山来迎寺・栄泉寺があり,金鐘寺は「丹後局の御創建にて,万年寺と号し,時衆宗なり……永和三年,丁巳の歳,市来氏了堂和尚を招請して開山とし,寺号を金鐘寺と改む,於是総持寺(能登州)の直末となる」と伝える。珊瑚菜を産し,「此菜長して石防風といふ,方言に浜きりと呼べり」という。また陶土は「磁器を製するに上器なり,伊集院邑苗代川の高麗種人,毎に是を采る」とある(三国名勝図会)。「県地誌」では,戸数639・人口3,035,うち士族476・平民2,559,牛62・馬231,公立小学校は2,西部にあり生徒数95,うち男81・女14,物産としては米・粟・甘藷・大豆・小麦・蘿蔔・胡蘿蔔・下駄緒・瓦。明治22年西市来村の大字となる。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7461462
最終更新日:2009-03-01




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