ケータイ辞書JLogosロゴ 上鯖淵村(近世)


鹿児島県>出水市

 江戸期〜明治22年の村名。薩摩国出水【いずみ】郡出水郷のうち。はじめ鯖淵村に属し,寛永頃に同村が当村と下鯖淵村・六月田村の3か村に分村。村高は,「旧高旧領」では2,576石余。南東部の軸谷(萩之段)には郷士の屯田地があり,外城とも呼ばれた。なお,これらの郷士は麓(武本村)に居住する麓衆中と区別して外城衆中と呼ばれ,宝永5年軍役高帳によれば軸谷衆中高32石余・人体27人であった。庄屋所は南部の井上に置かれた。享保年間につくられた用水沖田溝は,米ノ津川の水を渡瀬口から取水し,六月田村にかけて広がる平野部をうるおす。この渡瀬口には樹齢1,000年を越す大樟があり,数々の伝説・逸話を残す。寺社には,大田にもと多宝寺の本尊を祀る薬師堂,松尾にもと東光寺の本堂であった観音堂,愛宕山山頂には薩州家島津氏の鬼門鎮守のために建てられた愛宕社などがある(三国名勝図会)。「県地誌」によれば,戸数289・人口1,375(士族530・平民845),牛64・馬155,物産としては米・麦・糯米・粟・大豆・蕎麦・甘藷・実綿・麻・茶・葉煙草・菜種・藍葉・蜂蜜など。明治22年上出水村の大字となる。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7461656
最終更新日:2009-03-01




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