ケータイ辞書JLogosロゴ 鶴川内村(近世)


鹿児島県>阿久根市

 江戸期〜明治22年の村名。薩摩国出水郡阿久根郷のうち。江戸初期の村高は495石余,長井野・かくい・へほき・桑原城・田代・松川内などの集落名が見える(旧記雑録)。文化6年の村高1,201石余,門数42(阿久根市誌)。「旧高旧領」では1,549石余。山間地が南東部に広がり郷内でも生産力が低く,藩の原野開墾策にあわせて門移転が押し進められ,このため東接する野田郷内に飛地木佐木野集落が形成されたという(阿久根のむかしばなし)。南部山間の鶴川内川(高松川)上流米次は,文政8年郷士小木原三楽によって茶園栽培が始められた阿久根茶発祥の地で,幕末には和紙の原料である楮の生産地でも知られた。また,中部の田代では上質の芹を産した(三国名勝図会)。神社には,高津宮大明神社・伊勢大神宮などがある(三国名勝図会)。一向宗信仰の盛んであった地域で,藩の取締りに多くの村民が刑に処せられ,なかには大隅国恒吉郷付近へ人移しに遭ったものもいる。また,幕末には肥後国津奈木の寺院と密接な交流があり,当時の薬師如来像と十二神将像が現存している。「県地誌」によれば,戸数381・人口1,667,牛66・馬203,小学校は西中央部にあって生徒数41(男40・女1),物産としては米・麦・甘藷・粟・文旦・煙草・実綿・茶・椎茸など。明治22年阿久根村の大字となる。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7462688
最終更新日:2009-03-01




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