ピック病
アルツハイマーに比べれば限局的な脳変性症.側頭葉と前頭葉がおかされやすい.頭頂葉と後頭葉などの脳の後半部がおかされることは稀である.神経細胞の消失,変性は起こるが,神経原線維変化や老人斑は出現しない.症状としては,人格や性格の変化,自制心の欠如,反道徳的行為や万引き,盗みなどの犯罪行為,状況判断の誤り,対人関係の障害,感情障害(喜怒哀楽の欠如),言語障害が病初期からみられる.進行とともに記憶,知能もおかされ,最終的には失外套症候群に至る.8~12年の経過で死に至る.家族性や遺伝性はない.
| 丸善 「こころの辞典」 JLogosID : 12020117 |