100辞書・辞典一括検索

JLogos

15


【あじ】


「甘・酸・塩・苦」、味の基本要素五番目は、日本発「うま味」

私たちの舌で感じる「味」。その味にも種類があって、基本要素は五種類であり、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」といわれている。なかでも「うま味」という言葉は、料理番組などでも非常によく出てきて、親しみやすいが、実は日本人発見したものともいえる。およそ一〇〇年程前には、味の観念のなかに「うま味」は入っていなかった。すべての味は、うま味以外四つ味のブレンド構成されていると考えられていた。ところが、日本人池田菊苗博士が、甘味酸味塩味苦味四つだけでは表現できない、人が「おいしい!」と感じる味の要素があると考えたのだ。そして、それを総じてうま味」と名づけた。難しいのは、全体的な味のおいしさという意味での「旨味」とは、はっきりと区別されていることだ。「うま味」の成分は、自然界存在する食べ物のアミノ酸にあると考えられている。たとえば、日本の食材としては、昆布多く含まれるグルタミン酸、鰹かつお節ぶしから発見されたイノシン酸椎茸からはグアニル酸が見つかっているが、この三者は「うま味成分代表格だ。西洋食品では、トマトチーズアスパラガス、肉、カニ生ハムなどに「うま味成分が入っていることがわかっている。料理をする人間ならわかるが、なるほど、どれも具材として使うだけで、ぐっとその料理味が出る優れものぞろいだ。パスタなどによくかけるパルジャーノレッジャーノは、タンパク質に含まれる二〇種類アミ成分構成比率が、昆布とよく似ているのだそうだ。実は昆布チーズも、「うま味成分であるグルタミン酸の「かたまり」で、見た目も味もまったく違うのに、日本人にたいへん好まれている味なのである。ちなみに、「うま味」は日本発祥言葉なので、「TSUNAMI津波)」などと同様に「UMAMI」として世界共通の言葉である。日本の文化は、まさに、世界誇るべき文化なのだ。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820012