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42

キリスト教
【きりすときょう】


宗派によって微妙に違う、キリスト教徒の十字切り

キリスト教徒切っても切れない関係にあるものといえば、十字架十字切る祈り形態だろう。しかし、キリスト教徒はみな十字切って祈るものだというのは間違いである。キリスト教徒のなかでも、プロテスタント十字を切らないのが一般的だ。では、プロテスタント以外宗派は、みな一様十字切るのかというと、これも正しくはない。十字切るという仕草は、まず右手頭から胸まで縦に移動させ、その後左右の肩のライン横に移動させる。いわゆる十字の形に添って、右手動かすわけだが、その際右肩が先か左肩が先かによって宗派分かれる右肩先にするやり方ならロシア正教式。反対に、左肩が先ならカトリック式である。十字切る意味は、頭から胸の縦のラインが、イエス天界から下界降りてきたことを示し左右の横のラインは、神の愛によって、罪を意味する左側から、善を意味する右側へと導かれることを意味するロシア正教カトリックもこの意味変わりはない。ただ、右と左の順番が逆になるのは、イエスに対して同じ側に立つのか、向かい合っているのかといった解釈の違いにより変わるだけだ。そのため、ロシア正教でも、司祭以上聖職者信者祝福するときには、十字切り方が、上から下、左から右へとなる。また、十字切るのは右手だが、右手使い方微妙違うカトリック式では、五本の全体使う。五本の指は、キリストの五カ所の傷をあらわすという考え方からだ。一方ロシア正教では、使うのは親指と人さし指、中指三本だけ。残る本の指は、内側折り曲げておく。三本の指は、イエスとその父である神、そして聖霊をあらわしており、彼ら三位一体であるという思想からきているといわれている。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820237