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クリスマス
【くりすます】


イエスの誕生日は、『新約聖書』には書かれていない!?

一二月二五日は、クリスマスイエス・キリスト生まれた日として、キリスト教信仰持っている人も、そうでない人も、この日(あるいは前日イブ)はお祭ムードに包まれる。しかし、『新約聖書』には、イエスの誕生日関する記述はない。そのため、イエスの生まれた日に関して諸説あるのだ。イエスの誕生一二月二五日に祝ったという最古記録は、三三六年のローマ行事を記した「フィロカルスの暦」にある。もともと一二月二五日は、「太陽誕生日」を祝うローマ異教徒の祭りの日であったため、宗教指導者たちは、イエスの誕生日一二月二五日にすることで、異教徒を改宗させる狙いがあったと思われる同時に当時一二一七日から一二月二四日期間には、ローマ農耕神を称えるサトルナリア祭がおこなわれており、この祭りでは宴会催したり、贈り物をしたりする風習があった。そこで、一二月二五日イエス生誕の日に決めれば、人々から親しまれるとも考えたようだ。なお、このように、クリスマスキリスト教の教えではなく、異教起源持っていることは広く認められていたので、一七世紀頃のイギリスアメリカ植民地では、クリスマス祝うことが禁じられていた。しかし、その後東西の両教会祝日制度調整し、クリスマス一二月二五日統一して祝うことになった。そしてそれが次第に世界浸透していった。現在もこの日を「イエスの誕生日」として、世界中祝う風習ができているのは事実である。日本でも、キリスト教の伝来とともに伝わり、明治から大正にかけて、一般家庭でも祝われるようになった。ちなみに、どうしてクリスマスを「Xmas」と書くのか。これは、実はギリシア語ではキリストを「Χριστοζ」と書くのだが、その頭文字である「X」にあたるラテン語がないことから、ギリシア語の「X」を用いてキリストをあらわすことにしたのだという。そしてそのXに、「ミサ」をあらわす「mas」をつけて、「Xmas」とするようになったのである。また、どうしてクリスマス一二月二五日ではなく、「イブ」である二四日祝うのか。これは、ユダヤ暦では、日付変わり目日没としていることによる。つまり、二四日日没からもう二五日なのだ。なお、「イブ」は「イブニング」の略である。




東京書籍
「雑学大全2」
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