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狛犬
【こまいぬ】


「狛犬」は、イヌではない?

神社社殿一対になって向かい合わせ置かれている狛犬。「こまいぬ」という名前なんだから、当然神社護る「犬」と思うところだろう。ところがこの狛犬、「犬」なのにイヌではない。必ず対になっているこの獣は、片方は口を開いていて、もう片方口を閉じているが、これは「阿」と「吽」をあらわしている。呼吸がぴったり合うことを「阿吽の呼吸」というが、その阿吽である。この阿吽サンスクリット語(梵語)で、阿は口を開いて発生する最初の字音で、吽は口を閉じ発生する最後の字音サンスクリット語のアイウエオの最初の文字終わり文字である。なので、阿吽というと、物事のはじまりと終わりをあらわすのである。神社狛犬にはその意味があるのだ。狛犬モデルイヌではなく、中国で「ジ」と呼ばれていた動物で、正体ははっきりしない。一説によれば、水牛に似た一角獣で、皮は硬く、鎧の材料になるほどで、角は酒盃に用いたという。この動物が古代の朝鮮である高麗から日本に伝わって、日本ではこれを「高麗の犬」としたので狛犬といわれるようになったようだが、朝鮮には狛犬文化はないから、もともと狛犬という獣だったという説もある。場所によっては、この狛犬獅子のような形をしていることがある。これは、獅子狛犬混同されるようになって、平安時代などに、一方獅子一方狛犬向かい合わせになっている場合が多かったからだといわれる。




東京書籍
「雑学大全2」
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