100辞書・辞典一括検索

JLogos

24

サラダ味
【さらだあじ】


せんべいの「サラダ味」と「野菜サラダ」は無関係

せんべいや菓子の味表示多いサラダ味」。これを野菜サラダの味だから、もしくは野菜成分が含まれているからと思っている人も少なくないのではないだろうか。せんべいやおかきで有名な亀田製菓によると、せんべいのサラダ味野菜サラダはまったく何の関係もないという。亀田製菓場合サラダ味の「サラダ」は「サラダ油」のことである。一九六〇年代サラダ油がまだ高価だった当時に、それを絡めて塩をまぶしたモダンなせんべいがつくられた。せんべいは普通米を粉にしてふかし、それを伸ばしたものを型で抜いて乾燥させ、焼いて味付けをするが、その味付けのときに、サラダ油と塩を混ぜたものを塗るのだ。サラダ味せんべいの第一号は、一九六一(昭和三六)年発売の「サラダホープ」という米菓といわれているが、「塩味」とするよりは「サラダ味」とするほうがおしゃれで、当時サラダ油高級品イメージがあったため、そのようなネーミングになったらしい。では、「サラダ油」のほうは野菜サラダ関係があるのだろうか。一九二四(大正一三)年に日本最初に「日清サラダ油」という名前サラダ油販売した日清製油(現・日清オイリオ)によると、当時西洋では、塩や酢を加えた食用油をいまでいうドレッシングのように野菜サラダなどの料理に使っていたので、「生で召し上がれる精製度合い高い良質食用油」という意味で「サラダ油」と名づけたようだ。実際JAS規格では、「摂氏〇度で五時間以上置いても、油が澄んだままの状態である」という基準合格したものでなければ「サラダ油」と呼ぶことはできない。ドレッシング冷たい状態使うので、「サラダにでも使える」というところからきていると考え間違いないようだ。なお、JAS規格では、大豆菜種、綿実、ごま、紅花サフラワー)、ひまわり(サンフラワー)、とうもろこし(コーン)、米、落花生原料としたものだけにサラダ油名乗る資格がある。一般的に大豆菜種を混ぜたものが多いが、大豆だけのもの、菜種だけのもの、コーンだけのもの、紅花だけのものなどもある。もちろん冷却実験合格したものでなければならない。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820356