100辞書・辞典一括検索

JLogos

28

シューベルト①
【しゅーべると】


交響曲が未完成な理由とは?

シューベルトの「未完成交響曲といえば、クラシック詳しくない人で一度は聞いたことがあるくらいの名曲だ。交響曲通常第四楽章まであるはずなのに、この曲は第二楽章までしかないため、「未完成交響曲と呼ばれているが、ではなぜ未完成となったのだろうか。研究者の間でもいろいろな説が出ているが、おもなものを紹介すると、だいたい四つ分けられる。一つめは、一、二楽章があまりにもうまく書けたので、三、四楽章はあえて必要がないと考えたという説。二つめは、四分三拍子第一楽章八分三拍子第二楽章と続いた後に第三楽章当時交響曲原則である三拍子系のメヌエットをもってくるのは違和感があるのでやめたという説。三つめは、思い寄せていたエステルハーツィ家の令嬢カロリーネ失恋したため、その後続ける気力が失せたという説。四つめは、同時期に活躍していた作曲家ベートーベン曲を聞いて、自分の才能疑問感じその後が書けなくなったという説である。ところで、この楽曲シューベルト死後三七年も経ってから友人アンセルム・ヒュッテンブレンナーのところから出てきたものである。この曲はもともとヒュッテンブレンナーがシューベルト音楽協会名誉会員推薦したお礼として作曲されたものだったそうだが、二楽章分しか送られてこなかったため、残りの楽章届くのを待っているうちに、すっかりその存在を忘れてしまったらしい。ちなみに、この曲は正式には「交響曲第七番ロ短調D759」という名前で、いまから数十年前までは、この交響曲は第八番と呼ばれていた。シューベルト死後発見された「ザ・グレイト」「未完成交響曲」「ピアノ譜だけの交響曲長調」は、順番に七番、八番、九番とされたが、後に作曲順が「ホ長調」「未完成」「ザ・グレイト」だったことがわかり、さらに「国際シューベルト協会」がピアノ譜だけの「ホ長調」は交響曲としては認められないとして除外したため、「未完成」が七番、「ザ・グレイト」が八番となったのである。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820408