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シンガポール②
【しんがぽーる】


「ライオンの町」という意味なのに、ライオンが一匹もいない理由は?

マレー半島南端島々からなるシンガポールは、中継貿易工業で栄えた国である。さて、この国名シンガポールは、サンスクリット語で「獅子の町」という意味になる。「Singha」が「獅子ライオン)」で、「Pura」が「町」である。なるほど、シンガポールシンボルといえば、「マーライオン」。頭がライオン胴体が魚という像だ。そこで「獅子の町」だから「ライオン」、海に近いから「魚」をシンボルとしたのかと納得するのだが、実はシンガポールライオン生息した形跡一切ない。にもかかわらず、なぜ名前堂々と「ライオン」の名を冠しているかについては諸説ある。一二世紀にこの島を支配することになったスマトラ王家の者が、土地の繁栄祈るために、百獣の王であるライオンの強さにちなんで名をつけたというもの、また、スマトラ王家王子が、この島ライオン遭遇したために「ライオンの」と名をつけたというものもある。しかし、前述した通りシンガポールにはライオンはいない。王子遭遇したライオンは、頭が黒く体が赤く、胸が白かったと伝えられているので、いわゆるライオンとは別の生き物だったのではないかといわれている。最後の説は、最近では有力視されてはいるが、その内容は不可解なものだ。一一世紀初頭に、シンガポール侵攻した東インドの王が名づけたというものだ。語源サンスクリット語であることから、有力視はされているが、ではなぜ王はライオンがいないにもかかわらず「ライオンの」と命名したかということには言及していない。結局のところ、シンガポールサンスクリット語を語源とすること以外は謎のままなのである。




東京書籍
「雑学大全2」
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