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人工授精
【じんこうじゅせい】


患者をだまして自分の精子で金を稼いでいた医師

赤ちゃんがほしいのに、医学的な理由で子どもが授からない。そんな夫婦にとっての頼みの綱人工授精だ。一七九九年にイギリス成功したのを皮切りに、今では世界中に広まっている。日本では、一九四九(昭和二四)年に慶応大学医学付属病院で、人工授精による初めての赤ちゃん誕生した。人工授精とは、女性の子宮内に精液人工的に注入して授精させる方法である。人工授精至る理由で最も多いのが、精子減少症無精子症など精子障害があるケースだが、この場合精子をいったん洗浄濃縮して受精能力高めるために培養し、それから子宮内に注入する。ところで外国では、優秀な子どもを授かりたいなどの理由で精子バンクから有名人知識人精子を買ってきて人工授精することもあるらしい。そのような人を相手に金儲けをたくらんだのが、イギリスのフレデリックランダル博士だ。ランダル博士は、人工授精をおこなう医師立場利用して、患者女性たちには精子バンク精子だと偽って、自分の精子使用した。そして、女性たちに高額精子代金請求したのである。下世話な話だが、自分の精子なら元手はタダである。しかも、これは発覚する心配のない商売だった。精子一目見たぐらいでは違いがわかるはずもないからである。こうして、ランダル博士DNA受け継ぐ子どもは六〇〇〇人以上にもなってしまったという。このランダル博士自分の精子代金は、すべてギャンブルに使ってしまったというから、まったくひどい話である。




東京書籍
「雑学大全2」
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