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スズメバチ
【すずめばち】


最強のハチであるスズメバチにも天敵がいる

スズメバチ」は日本のハチのなかで最大のハチで、その名前由来も「スズメほど大きい」ことからつけられたといわれる。地方によっては「クマバチ」(「クマバチ」は別種)、「カメバチ」などと呼ばれることもある。とても獰猛攻撃的なため、スズメバチ毒針に刺されて人が命を落とすこともある。こう書く無敵のようにも聞こえるが、そんなスズメバチにも天敵はいる。まずは人間である。そして野鳥といったスズメバチを餌として食べる捕食者もそうだ。これには同じスズメバチ類である「オオスズメバチ」も含まれる。オオスズメバチに襲われたスズメバチの巣は、数日全滅してしまうといわれるほどの攻撃にさらされる。また、捕食以外にも寄生者というやっかいな天敵もいる。たとえば「カギバラバチ」というハチは、スズメバチ類の幼虫寄生する。といっても、スズメバチ幼虫直接寄生するわけではない。寄生第一歩は、まずカギバラバチメス樹木の葉に卵を産みつけるところからはじまる。次に、その卵がついた葉を蛾の幼虫などの中間寄主が食べて、その体内で卵が孵化する。すると今度は、スズメバチがその状態中間奇主を捕らえて幼虫与える。こうしてやっと、カギバラバチスズメバチ幼虫寄生するのだ。寄生したカギバラバチは、スズメバチ幼虫体内から食べはじめ、最終的には体表に出て幼虫を食べつくしてしまう。同じようにスズメバチ幼虫寄生するものに「オオハナノミ」という甲虫がいる。こちらの寄生も、やはりメスが木に卵を産みつけるところからはじまる。孵化したオオハナノミ特殊な形をした幼虫は、その木に巣材を調達にきたスズメバチ体にしがみつき巣へ潜入する。そしてまんまと奇主であるスズメバチ幼虫乗り移るという。直接的にスズメバチ寄生するものもいる。スズメバチの巣にスパイのようにもぐりこみ、幼虫卵を産みつける寄生バチヒメバチ」のほか、成虫寄生する「メバエ」というハエ仲間もいる。メバエは、スズメバチの巣のそばで、働きバチが巣に戻ってくるのを待ち構え、戻ってきた一瞬の隙に、その体に卵を産みつけるという。孵化したメバエ幼虫働きバチ体内成長することになるのだ。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820467