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タコ
【たこ】


いらだつと自分の足を食べる神経質な生き物

タコは、ゆっくりとした動き特徴的だ。あまり活発でないところを見ると、とてものんびりした性格なのだろうと思ってしまう。ところが、実は神経質短気生き物だという。タコは、病気にかかったり、気持ちがいらだったりすると何かに食いつかずにはいられなくなるようで、自分の足を根元まで食べたり、仲間を食べたりすることもあるというのだ。あるいは、単に空腹にたえられないから、という説もある。ときに、足の数が少なかったり、ちぎれていたりするタコがいるが、それは間違いなく自分で足を食べたか、仲間に食べられたからだったといってよい。外敵に襲われたとき、とらえられた足を切り放し逃げることがあるが、それは再生してくる。しかし、自分でべた足再生しないらしい。こう見てくるとタコ知能が疑われそうだが、実は無脊椎動物としてはきわめて高い知能有するといわれている。環境合わせて瞬時に体の色を変えるだけでなく、体の凹凸まで変化させる。これは、眼による観察確かなことを示している。また、吸盤には化学受容反応触覚反応とがあり、簡単な形なら記憶できるという事実もあるのだ。意外賢いタコであるが、その習性見た目がそうとは思わせないためだろう、タコにまつわる言葉には、あまりいいイメージがない。たとえば、タコ飢える自分の足を食べて生きるということから、利益が上がらず財産処分しながら配当続ける会社の配当を「蛸配当」という。頭とみなされる丸い腹部持っているため、それに似た人をタコ坊主」と呼んでからかったり、禿頭人にたとえたりすることもある。これ以外にも、タコ近づく魚を引き寄せて補食するので、誘惑者や裏切り者、あるいは悪魔同一視され、英語では「devilfish」という。『旧約聖書』では食べることさえ禁じられているのだ。なんともイメージ悪いタコではあるが、刺身や唐揚げたこ焼きにと、われわれ日本人にとっては魅力的な食べ物である。タコ案外自分のおいしさに気がついているのかもしれない。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820525