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ドボルザーク
【どぼるざーく】


SLオタクの作曲家

チェコ生まれ作曲家ドボルザークは、苦学してプラハオルガン学校を卒業する卒業後は、ヴィオラ奏者として交響楽団演奏するかたわら曲を書きはじめ、一八二年発表した混声合唱管弦楽のための愛国的な賛歌新進作曲家としての地位を手に入れた。以降ドボルザーク大作曲家への道を進む祖国チェコ民俗音楽旋律リズムに根ざした器楽曲多く代表作となった「交響曲第九番」もその延長線上にある。「交響曲第九番」は、「新世界より」の副題があるように、一八九二?九五年に、ニューヨークナショナル音楽院長に招かれてアメリカ滞在したときに作曲したもので、チェコ民俗音楽アメリカ黒人霊歌語法がない交ぜになった、親しみやすい名曲として名高い。ところで、チェコというヨーロッパ内陸部大地彷彿とさせる雄大旋律や、わき上がってくるリズム心を打つドボルザークの曲だが、彼自身ハート揺さぶり、ときめかせていたのは、「SL」だった。ドボルザーク鉄道ファンぶりは徹底している。プラハに住んでいるときの下宿は駅からほど近い場所にあり、気分転換もかねて毎日のようにプラハ市内の駅を訪れては観察余念がなかったという。アメリカ滞在中も毎日駅に出かけては特急列車の車両番号を控えていた。自分が駅を訪れられないときは、代わりに弟子を行かせたというのだから、かなりのマニアといえる。この趣味は、渡米によってさらに幅を広げた。同じ蒸気機関動く乗り物である蒸気船にも興味示し、港で蒸気船見学する趣味加わるのである。弟子回顧談によれば、港に停泊中の船はすべて訪問し、船長にあれこれ質問して乗組員たちとも会話を交わし、すべての船と船長乗組員名前をたちまち覚えてしまったという。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820622