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ニコチン
【にこちん】


エジプトのミイラから、当時はなかったはずのタバコを発見!

一九七五年、フランス調査隊が、「三二〇〇年前のミイラからタバコ発見」というニュース発表した。エジプト第一王朝ファラオラムセス二世ミイラ腹部からタバコ微細片を発掘したというのだ。ラムセス二世は、紀元前一三〇四年から六七年間エジプト支配し、その長い治世の間に、ヒッタイト王国を滅ぼし、建築王といわれるほど次々神殿建造着手した。アブ・シンベル神殿カルナック神殿、ルクソール神殿など、どれも現在のエジプト観光メッカとなる建造物である。ラムセス二世は、いまでもエジプト国民貴重な収入をもたらしているのである。さて、タバコといえば南アメリカ原産で、コロンブスアメリカ大陸到達した一五世紀後半以降世界各地に伝わったとされるものである。ラムセス二世時代にはなかったはずだ。その謎はいまだにはっきりしないのだが、一説では、ミイラをつくる過程入れられたのだという。ミイラをつくる過程で、内臓必ず体内から取り除かれ、その代わりに殺菌効果のある薬草香草詰められた。そのなかに、防腐剤防虫剤役割をさせるため、アフリカ大陸ではナミビアなどに自生していると考えられているナス科タバコ属「ニコチアナアフリカーナ」を使っていたのではないかというものだ。そのほかには、現実的な意見として、ミイラ発掘作業中に、作業員が喫煙をしていてパイプなどからタバコがこぼれ落ちたというロマンのない説もある。どの説にも決定的な証拠はなく、真実は闇の中だ。スフィンクス創造の謎と一緒に、今後も謎のまま語られていくのであろう。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820654