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鳩ぽっぽ
【はとぽっぽ】


童謡「鳩ぽっぽ」のモデルは、浅草観音の鳩

鳩を見て「ぽっぽっぽ……」と思わず鳴き声真似してしまうのは、童謡鳩ぽっぽ」に由来している。童謡鳩ぽっぽ」の作曲滝廉太郎であるが、作詞者はいったい誰か。この童謡作詞をしたのは、東くめという女学校先生である。くめは、一〇歳で故郷和歌山県新宮市離れ東京音楽学校進み、そこで同郷東基吉結婚する。幼児教育強い関心を持っていた基吉は、くめに「子どもでもわかりやすく、楽しく歌える歌ができないか」と相談したそうだ。その当時唱歌童謡も、歌詞はすべて文語体であったため、子どもには難しく、なじみにくいものばかりだったからである。「鳩ぽっぽ」の歌詞のなかに、「鳩ぽっぽ 鳩ぽっぽ ぽっぽぽっぽと飛んで来い お寺の屋根から下りて来い……」というフレーズがある。くめは、浅草観音境内で子どもと鳩がたわむれる様子心に思い浮かべながら、口語体を使って楽しく歌える歌詞をつくり上げたのだ。それが「鳩ぽっぽ」であり、口語体を用いた童謡第一号である。こうして、子どもにもよくわかる言葉を使って作詞された「鳩ぽっぽ」は、その後多くの日本人長く愛され続けたのである。なお、作曲をした滝廉太郎は、くめの音楽学校時代後輩だった。ちなみに、「ぽっぽっぽ 鳩ぽっぽ 豆がほしいか そらやるぞ……」のほうは、タイトルは「鳩」である。作詞者、作曲者ともに不明である。




東京書籍
「雑学大全2」
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