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バベルの塔
【ばべるのとう】


人間の傲慢さをいさめる「バベルの塔」の物語

バベルの塔とは、『旧約聖書』「創生記」第一一章に登場する巨塔である。まだ全世界一つ言葉しかなかった頃、ノア子孫ニムロデが古代バビロニア建てようとしたとされている。それは神への崇拝のためではなく「さぁ、我々のために都市を、そして塔を建て、その頂を天に届かせよう。そして、大いに我々の名を揚げて、地の全面に散らされることのないようにしよう」と建築者たちが有名になることを目的とするものだった。そこで、神は怒り彼らの言葉混乱させ、互いに意思疎通ができないようにし、なおかつ、これらの民を世界四散させたために、工事はやむを得ず中止しなければならなくなった、という話である。この話で注目すべきところは、「意思の疎通ができないようにし、工事中止させた」という点。本の中には「神が塔を壊した」と書いてあるものもあるが、聖書によると前述のほうが正しい人間の傲慢さや業は、人々の心を一つにするどころか、逆に互い意思疎通阻害してしまうということを暗に物語っているという。バベルの塔モデルとなったのは、メソポタミア南部現在のイラク)に栄えた諸都市建てられた「ジッグラト」と呼ばれる聖塔考えられている。その姿は、都市国家ウル遺跡で、一部修復復元されたジッグラト見ることができる。ウルジッグラトレンガ方形積み上げてつくられたもので、高さはおよそ二〇メートルである。ジッグラトがどのような経緯で『旧約聖書』の物語結びついたのかは想像するしかないが、人間の非力さを思い文明問題性を提示することを意図して、このような物語に託したとも考えられるのではないだろうか。バベルの塔西洋絵画題材としても、しばしば取り上げられている。たとえば、ウィーン美術美術館にある、ブリューゲルによって描かれた「バベルの塔」はなかでも有名なものの一つ。彼は、ローマにあるコロセウム円形闘牛場)をモデルにしたといわれる。そのため、その形はジッグラトとはまったく異なる。しかし、言葉でコミュニケーションがとれなくなったことによる混乱は、「岩が崩れたような工事現場描く」ことで、よく表現されている。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820718