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ハンバーグ
【はんばーぐ】


語源となったドイツのハンブルクに、ハンバーグステーキはない!?

子どもに大人にも大人気の「ハンバーグ」。英語では「ハンバーグステーキ」と呼び一八八四年頃アメリカ出現した肉料理だが、はじまりはミンチ状の牛肉調味料を加え、ステーキの形をまねて焼いた料理だった。その語源は、ドイツ北部港町ハンブルク」。もともとはモンゴル系の騎馬民族タタールが食べていた生肉料理タルタルステーキが、ドイツハンブルクでは焼いて食べる風習代わり、それが定着したという。では、ドイツハンブルク行くと、ハンバーグステーキ屋ばかりなのかと思いきや市内ハンバーグ中心にしているレストラン観光向きばかりといえる。では、なぜハンバーグステーキという名前がついたのかというと、一八八〇年代、二五〇人ものヨーロッパ人が新天地求め大西洋を渡った時代にさかのぼる。そのなかのハンブルク出身ドイツ移民集団一緒アメリカに入った料理だったので、ハンブルクからきた人たちに敬意を払って、ハンバーグステーキと呼んだというのである。だが実際には、はじまりのときにはあり合わせの肉を集めて叩いてやわらかくして焼いたというものだったから、庶民食べ物というイメージがあったようだ。結局のところ、食費安く、おいしく食べやすい料理なので、庶民に広まっていったのだが、ハンブルクの人たちはこの安物肉のステーキハンブルクステーキ呼ばれるのには、多少なりとも抵抗があったかもしれない。そして何より実際のハンブルクではなくアメリカにその料理が渡ったことで、ハンバーグアメリカ進化大衆化し、一方のドイツではあまりハンバーグづくりは盛んにはならなかったのである。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820730