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麻婆豆腐
【まーぼーどうふ】


アバタの奥さんがつくった豆腐料理!

麻婆豆腐という料理日本人にとっても、かなり身近な中華料理だが、その料理の名前を読み解くと、なんと「アバタの奥さんがつくった豆腐料理」という、料理の内容にまったく関係のない、しかも失礼な意味である。麻婆豆腐は、四川省で、ある一人奥さんアイデアによってできた料理だ。これができるまでの物語がある。陳富森という下級官吏は、当時役人ならば当たり前になっている賄賂などには無関心真面目人物であった。そんなことなので、家計はいつも潤わず、赤字続きのような日々を送っていた。そんなある日、陳さんの家に友人上司急にやってきた。食事を出さなければならないのだが、特別な材料を買ったりする余分なお金はない。陳さんの妻は、なんとかある材料でおいしい物をつくらなければならなかった。そこで考えついたのが、前日残り物である肉を細かく切って、これを豆腐一緒に煮込んで味付けした料理。これを出して、なんとかお客様をもてなした。陳さんの妻としては苦肉の策で、自信のある料理でもなかったが、お客様出してみると、これが大好評。つくり方を教えてほしいということで、もちろん陳さんの妻はつくり方を教えたという。この評判次第に中国全土に広まっていったのだが、これといった料理の名前がない。それで、この料理の考案者の陳さんの妻の特徴であったアバタのある顔から、「麻婆(アバタの奥さんの)豆腐料理」と自然に呼ばれるようになってしまった。せっかくおいしい料理をつくったのに、なんていわれようだろうか。「陳婦豆腐」とかいう名前でもよかっただろうに……。




東京書籍
「雑学大全2」
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