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無重力
【むじゅうりょく】


重力がない状態は存在しないから、正しくは「無重量」

宇宙船のなかでは、人は空中に浮かんでしまう。日本人宇宙飛行士とのテレビ中継などでよく見る光景だが、この「人が空中に浮かんだ状態」のことをよく「無重力状態」という。実は、この状態を「無重力」と表現するのは正しくない。「無重力」というのは「重力影響受けていない状態」をいうのであって、本当宇宙船のなかといえども重力影響受けている。しかし、地球引力宇宙船地球周回することで得られる遠心力とが釣り合っているのであたかも重力がないような状態になる。この状態をいっぱんに「無重量状態」といっている。重力はあらゆる物体質量に対して働く引力である。ニュートン構築した理論で、二つ質量間の力はそれらの質量の積を距離平方で割ったものに比例するといわれている。このことからも物体重力がかからなくなることはあり得ないのだ。宇宙空間では浮かんでしまっていることで、あくまで見かけ上は重量がないように見えるが、重力受けている。最近になって用語違いが気にかけられるようになり、「無重力状態」といわずに「無重量状態」というようになってきている。しかし、読むほうが「無重量状態」と書いてあっても、無意識に「むじゅうりょくじょうたい」と読んでしまうこともあるかもしれない。新聞雑誌などでどう表記されているかよく確かめてみるのもおもしろいだろう。




東京書籍
「雑学大全2」
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