100辞書・辞典一括検索

JLogos

26

ヤドカリ
【やどかり】


いつも住宅難にさらされているヤドカリ

真夏の海で砂浜に寝そべっていると、「よいしょ、よいしょ」と重そうな巻貝背負って歩くヤドカリ遭遇する。その懸命歩く姿が愛らしく、ついつい目で追ってしまうものだ。ヤドカリは、エビカニ同じ十脚甲殻類」の仲間で、頭と胸が甲(頭胸甲)で覆われている。そして、はさみ脚二本と歩くための脚八本合計一〇本があるのが特徴である。エビカニ異なる部分は、歩くための脚のうち、後ろの二対(左右二本ずつ)が前の二対に比べ小さくなっていることだ。これは、貝殻のなかに溜まったゴミや排泄物をかき出すのに役立っている。ごくたまに見る黒っぽい糸のようなものが、それである。貝殻にかくれている腹部はやわらかく、右にねじれていて、目立った節はない。卵から孵ってしばらく経った幼生腹部には、エビのようにはっきりとした節があるが、生体になると目立たなくなるのである。そして、その頃から貝殻背負うようになる。さて、ヤドカリ最大の特徴でもある貝殻。この貝殻多く巻貝の殻である。そもそもヤドカリは「宿借」と書かれるように、彼ら脱皮をするごとに自分にちょうどいい大きさの貝を探し、引っ越ししていく。まず、貝殻窮屈になったヤドカリは、自分のはさみで大きさをはかり、ちょうどいい大きさの貝を探す。は、別のヤドカリから貝を横取りすることもよく見られるという。お目当てヤドカリ見つける自らの殻を使ってゴツゴツと相手貝殻めがけて攻撃をし、追い出し作戦をする。攻撃された相手ヤドカリがたまらず出てくると自分がその貝殻に入っていき、追い出されたヤドカリ仕方なく空いたほうの貝殻に入っていくのである。これでは引っ越しというより、力にものをいわせた略奪完了するヤドカリ成長しても借り物貝殻成長しないのだから、致し方ないのかもしれない。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820916