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ABM条約


Treaty on the Limitation of Anti‐ballistic Missile Systems

 弾道ミサイル攻撃をミサイルで迎撃する兵器体系の、配備を制限した米ロ(ソ)間の条約。この兵器は、1960年代に米ソ(ロ)で開発され、ABM(対弾道ミサイル)と略称された。しかし核抑止を不安定にするとされ、米ロ(ソ)は72年、首都とICBM基地の2カ所に配備を制限したABM条約に調印。さらに74年、同議定書で首都かICBM基地のいずれか1カ所に限定することに合意。しかし83年、レーガン大統領SDI(戦略防衛構想)提唱以降、この条約と米国のミサイル防衛構想との抵触が問題化。クリントン政権は、海外駐留米軍や同盟国を防衛するTMD(戦域ミサイル防衛)と米本土を防衛するNMD(国家ミサイル防衛)に区分。うちTMDは97年、迎撃ミサイルに性能の上限を定め、それ以下は条約に規制されないことで米ロが合意。しかし、ミサイル防衛を国防の柱とするブッシュ政権は、2002年6月、構想の障害として、ABM条約を失効させた。




朝日新聞社
「知恵蔵2009」
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