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大腸ポリープ
【だいちょうぽりーぷ】


Colon Polyp

大腸ポリープ

 大腸の限局(げんきょく)性(限られた部位)の隆起性変化と定義されます。その組織型とは関係なく、形態に対して付けられた名称です。狭い意味では良性の上皮性腫瘍(じょうひせいしゅよう:粘膜から発生した腫瘍)に対してのみ用いられます。ポリープの多発したものを多発性ポリープといい、100個以上の場合、とくにポリポーシスといいます。形態分類としては以下のように分けています。組織分類としては、大まかにいえば、上皮性・非上皮性、腫瘍性・非腫瘍性に大別されます。ここでは、比較的頻度の高い腺腫(せんしゅ)・過形成性ポリープ・炎症性ポリープについて説明します。

・腺腫
 腺腫性ポリープともいわれます。大腸上皮の腫瘍性増殖によって生じます。多くはある程度の大きさで発育が止まるのですが、なかには数cmに達するほど大きくなることもあります。小さい腺腫は大部分が広基性(こうきせい)で、大きくなると茎をもつもの(有茎性〈ゆうけいせい〉)が増えてきます(図:腺腫の広基性と有茎性)。茎は正常粘膜が引っ張られて生じるのです。腺腫は、前ガン病変ともいわれ、増大していくとそのガン化の危険率も増してきます。

過形成性ポリープ
 上皮の過形成によって生じる粘膜の隆起性病変をいいます。ほとんどが5cm以下と小さく、ガン化の危険性は極めてまれです。高齢者では、最も発生頻度の高い大腸ポリープであり、年齢とともに増加しますが、臨床症状をきたすことは少ないようです。

・炎症性ポリープ
 炎症性大腸疾患の際にみられる隆起性病変で、これ自体ガン化の問題はほとんどありません。




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「標準治療(寺下医学事務所)」
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