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早蕨(さわらび)の 握り拳(こぶし)を 振り上げて 山の横面(よこつら) はる風ぞ吹く
【さわらびの】


〔〔狂歌〕〕〈巴人(はじん)集・四方赤良(よものあから)〉
[訳]「蕨の若芽が、その握りこぶしを振り上げて山の横面を張るかのように勢いよく伸びている山に、春風が吹いている」
<参考>「紫塵(しぢん)の嫩(わか)き蕨は人手(ひとて)を拳(にぎ)る」〈和漢朗詠集・上・早春・一二〉などで、若芽の蕨を握りこぶしに見立てる伝統をふまえて「早蕨」を擬人化したもの。「はる」には、横面を「張る」と「春」がかけられている。四方赤良は、大田南畝(おおたなんぽ)の狂歌での名。




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5084206