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亀田八幡宮
【かめだはちまんぐう】


函館市八幡町にある神社。旧郷社。祭神は誉田別命。正八幡と称した。明徳元年河野加賀守森幸が越前国気比神宮(福井県敦賀市曙町)の分霊を勧請し,亀田川河口に奉祀したことに始まると伝え,文禄3年松前氏の祈願所となり,慶長8年に本殿・拝殿が建立されたという(函館区史)。一方,松前藩の官選史書「福山秘府」には「造立年号相知れず」とあり,神職は享禄年間より始まるとも伝えられ,詳細は未詳。藩主松前慶広はかつて長禄元年のコシャマイン蜂起で大勝したのは当社の加護によるとして,尊信を深め,亀田郷の総鎮守として重きをなしたという。延宝2年・元文4年銘の棟札があり,それには領内五穀豊熟祈祷所と記されている(函館市史通説1)。松前氏から毎年祭祀料として玄米25俵が献上され,大祭には代参があった。6代目神職藤山季房は文化5年社誌を記述,7代政房も文政8年に「亀田八幡宮記元書」を記した(以上,同前)。その間元禄期に亀田川の洪水で現在地に遷座した。明治9年郷社に列格。現社殿は昭和39年の造営。現在神輿殿として保存される旧社殿は,文久3年の造営で函館市最古の木造建造物である。例祭は9月15日。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7002256