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酒田県
【さかたけん】


県北西部に位置した。地名は,中世以来の地名酒田に由来する。(近代)明治2年7月~3年9月の県名(第1次)。慶応4(明治元)年閏4月21日,新政府は政体書を発布して,地方官制を府藩県三治制とすることを定めた。酒田の地には同年10月,酒田民政局が置かれたが,戊辰戦争終結後の明治2年7月20日,政府は羽前・羽後国内の旧幕府領および陸奥棚倉・常陸土浦・蝦夷地館(松前)・上野館林・下総佐倉・上総大網など諸藩の采地領を管轄するため改めて直轄県として酒田県(第1次)を設置。初代長官に津田信弘権知事を任命,ついで12月3日知事大原重実がこれに代わり,県庁を羽後国酒田(現酒田市)に置く。廃藩置県に先立つ明治3年9月28日本県を廃し旧山形県を新置。酒田県(第1次)所管から旧山形県へ移管されたのは,飽海(あくみ)・田川両郡内341町村・村高10万1,531石余,村山郡内138町村・村高10万7,926石余,置賜(おきたま)郡内41村・村高4万1,572石余,由利・仙北(現秋田県)2郡内31村・村高9,065石余に及ぶ(県史1)。同年閏10月5日旧酒田県庁において政務の引き継ぎを完了。(近代)明治4年11月~8年8月の県名(第2次)。山形県の前身の1つ。明治4年7月,廃藩置県により261の諸藩は県となり,従来の府県と合わせて3府302県となったが,府県間の大小,不均衡がはなはだしかったため,同年11月大幅な府県再編成が実施され,3府72県に統合された。現山形県の県域に置かれた米沢・新庄・上山(かみのやま)・大泉・松嶺・山形・天童の7県は置賜・山形・酒田(第2次)の3県に統合となり,これに伴って旧大泉藩の後身である大泉県および旧松嶺藩の後身である松嶺県(村山郡左沢領をのぞく)を統合して,同年11月再置された。県庁を羽後国飽海郡酒田(現酒田市)に置き,羽前国田川郡および羽後国飽海郡一円をその管下とする。戸数3万5,499・人口20万3,676,村高23万石余(地方沿革略譜)。長官に参事松平親懐が任ぜられ,同7年12月,県令三島通庸が交替した。同8年8月31日,鶴岡県と改称。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7025232