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生実藩
【おゆみはん】


旧国名:下総

(近世)江戸期の藩名。譜代・小藩。陣屋は千葉郡北生実村(千葉市)。寛永4年森川重俊が1万石で当地に入封して成立。将軍徳川秀忠に仕えていた重俊は,慶長19年大久保忠隣の養女を妻としていたこともあって忠隣改易に連座して除封され,上野国高崎藩主酒井家次に預けられていた。のち元和元年赦免され大御所秀忠に勤仕していたものを,加増され立藩したものである。寛永5年重俊は老中になっている。寛文4年の藩領は,下総国千葉郡内18か村7,000石,匝瑳(そうさ)郡内1か村296石余,上総国武射(むしや)郡内1か村375石余,長柄郡内1か村425石余,相模国大住郡内4か村1,110石余,鎌倉郡内1か村791石余(寛文印知集)。歴代藩主は,重俊・重政・重信・俊胤・俊常・俊令・俊孝・俊知・俊民・俊位・俊徳・俊方。俊胤は元禄7年奏者番兼帯寺社奉行となっており,他の藩主も幕閣で活躍している。明治初年の実高1万627石余。明治4年廃藩置県となる。なお,「恩栄録」「廃絶録」「徳川除封録」「寛政譜」などには,森川氏入封前に,元和末年から寛永10年にかけて酒井重澄が生実を居城として2万5,000石を領有していたと見えるが,不詳。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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