100辞書・辞典一括検索

JLogos

34

有尾輪中
【ありおわじゅう】


養老郡養老町南部と海津郡南濃(なんのう)町にまたがって位置する多芸(たぎ)輪中の内郭輪中。西側を津屋川が南流し,北側は飯ノ木輪中と,東側は大場新田輪中と,南東側は旧下池に接する。堤内には有尾・田・横屋の各集落がある。西側の堤防は津屋川の水を防ぎ,北および東の堤防は飯ノ木輪中や岩道輪中の悪水を防いでこれを下池方面に排除するためにある。この輪中の堤防がいつ懸廻堤となったかについては不詳であるが,宝暦9年当時,一曲輪を形成していた,と岩道村・西岩道村はその願書で述べている(養老町史史料編下)。有尾新田の開拓のため,大野郡五之里村(現揖斐郡大野町)の牧太郎助ら5人が寛永21年に幕府領津屋村と高須藩領有尾村の草場開墾を計画した際,幕府領については,新堤延長1,200間余の築造(敷地13間・高さ3間・馬ふみ2間半ほどの堤)と,古堤1,360間余(敷地4間・高さ1間)の堤防を新堤と同様に改造することを条件に願い出ている。また,高須藩領については,正保2年,新田堤外の草場は,従来どおり有尾・津屋両村の庄屋支配,堤の新造・修復用土はこの草場より取るという補正的条件が付けられた(養老町史史料編下)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7104352