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牛牧輪中
【うしきわじゅう】


本巣郡穂積町西部から巣南(すなみ)町南東部にある大きな五六輪中の一部。牛牧輪中の名で古くは五六輪中全体を呼んだこともある。東に五六川,西に犀(さい)川があるが,両川とも根尾(ねお)川扇状地の湧水に源をもつ河川であるが,五六川には自然堤防が発達していない。一方の犀川は古くは根尾川の分流が流れていたとみられ,自然堤防がよく発達しており,したがって集落はほとんど犀川沿いに集中している。集落名には十七条・十八条・十九条があるように,条里制の名残が見られる。五六川は後背湿地の部分を流れているとみてよく,この輪中内の低地は五六川沿いの部分に南北に延びていて,特に東南部が低く,堀田が集中していた。しかし,現在は土地改良の結果,これらの堀田は埋め立てられ,工場などが立地している。現在南北に樽見線が輪中を縦断し,南部では東西に東海道本線と国道21号が通過する。牛牧輪中にどれだけの村が属したかは歴史的に必ずしも一定でないが,明治の水害予防組合の時代には牛牧・十九条・十八条・十七条・美江寺(みえじ)・重里の諸村が属した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7104683