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釜之段輪中
【かまのだんわじゅう】


養老郡養老町と海津郡南濃(なんのう)町とにまたがって位置する多芸(たぎ)輪中の内郭輪中。西・南側を旧十三ケ村排水路が南東流して津屋川と合流し,北・東側を五三川が南東流して揖斐(いび)川に合流する。堤内には釜段・駒野新田・小坪の各集落がある。このうち,釜段・駒野新田は同一の堤防内にあるが,小坪は別の堤防内にあり,両者を独立の輪中とする場合もある。尾張藩士藤田大学の子息森半入は明暦4年高須藩領の多芸(たぎ)郡有尾村草場下池・駒野村草場・大垣藩領の草場の開拓を願い出,下池は不成功に終わったが,他の2か所はそれぞれ駒野新田・釜段村となった(寛文10年検地)。元来この地域は多芸輪中のなかでも最低位部にあり,池沼,堀潰れが多く,田はほとんど掘上田で,農作業は舟運・牛耕・人力作業によった。1軒に3~4艘の笹舟を所有し,牛は牛専用の舟で運ばれた。今は土地改良で昔の面影はない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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