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蛇持輪中
【じゃもちわじゅう】


養老郡養老町北部にある輪中。北側を色目川が,南側を小畑川がそれぞれ東流し,東は祖父江(そぶえ)輪中と接する。輪中は西に高く,東に低い地形で,西側には除(よげ)はあっても堤防がない。堤内には北野・角田・杉本・蛇持・南蛇持・飯田の各集落がある。牧田(まきだ)川の逆水による水害が多く,享保13年には飯田・蛇持村から「当村は小畑川や色目川の川口に近く,そして村を囲う堤防がないため,逆水が幾度となく押入り,米も麦も腐って村は亡びる寸前である」と窮状を願い出ている(養老町史通史編上)。逆水に悩んだことはこのように確かであるが,この文中にある「村を囲う堤防がないため」とはどの程度のものをさしていったものか明らかではない。「濃州徇行記」に「此村(飯田村)は飯積村と川を隔て,飯積(幕府領)の方は堤一尺高く,飯田の方は堤一尺低く,定尺場にて,是非此村へ水をうけ,年毎に凡そ五度程づつも村中へ水あふれ入る。水損多し」とある。現在,平常の排水は相川または色目川に自然排水しているが,降雨により河川の水位が上昇すれば,色目川排水機により相川へ排水している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7106537