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十六輪中
【じゅうろくわじゅう】


大垣市西部にある小さな輪中。西と南側を相川が東流し,東側には大谷川の遊水地帯がある。堤内北西の高位部に1村だけ十六集落がある。相川扇状地の末端部にあり,湧水をみる。古来,相川・大谷川にはさまれて洪水の被害に悩まされてきたこの地区の人々は,明和8年・文化11年・文政12年に相次いで輪中堤の築造を笠松の幕府美濃郡代のもとへ願い出るが,今村輪中・多芸(たぎ)輪中などの村々の反対にあい,ことごとく不成立に終わり,嘉永2年村内2か所に無届けで新堤を築いた。しかし,綾里(あやさと)輪中をはじめ,下流の村々は実力でもってこれを破壊した。明治2年明治維新を契機に旧大垣藩主に嘆願し,内訓により水除囲堤を築造したが,その後も周辺の室原輪中・蛇持(じやもち)輪中・祖父江(そぶえ)輪中・綾里輪中などとの抗争は止まず,たびたび定杭約定や納得金約定の契約改正を行った。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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