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瀬田輪中
【せたわじゅう】


大垣市・養老町にまたがる杭瀬(くいぜ)川以西,金草川以北の地域にあり,静里輪中・綾里(あやさと)輪中・十六輪中・大野輪中・室原輪中・蛇持(じやもち)輪中・祖父江(そぶえ)輪中・江月(えつき)輪中・飯積輪中・大墳(おおつか)輪中・高田輪中・烏江輪中などの小輪中が含まれる。昭和3年瀬田水害予防組合として成立した範囲を瀬田輪中と俗称している。正式名称は瀬田水害予防組合であって,瀬田輪中水害予防組合ではなく,それは上述した諸輪中の範囲以上の地域を含むからであると考えられる。この組合は昭和3年当時の行政地域名では,日吉村・多芸(たぎ)村・小畑村・表佐村・荒崎村・合原村・綾里(あやさと)村・静里村・高田町の1町8村が参加しており,組合設立の目的はかねてからこの地方の治水上問題であった牧田(まきだ)川・杭瀬川合流地点より下流改修工事を達成するため,その工事費用のうち金30万円を一時立替えるための起債の必要上創立されたものである(養老町史通史編下)。この工事は戦時中の中断もあって昭和25年漸く完成した。したがってこの瀬田輪中と俗称されるものは諸輪中の複合輪中としてはみなしがたい。なお,瀬田水害予防組合というような水害予防組合は輪中地域より高位部に,他にもいくつかみられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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