七崎輪中
【ななさきわじゅう】

本巣郡巣南(すなみ)町の北西部にある。東に犀(さい)川，西に根尾(ねお)・揖斐(いび)両川があり，北には根尾川の扇状地の湧水地帯がある（その水は犀川に注ぐ）。全体として北高南低でその地形上の傾斜が輪中地域の中では急な方である（扇状地に属する）。このためにこの輪中は大正末年以降に始まった木曽川上流改修工事まで尻無し堤であった珍しい輪中である。揖斐川に面しては尻無し部分（呂久・中宮）以外は立派な堤防があり（霞堤），また犀川に面してはその下流部には堤防があったが，その上流部においては除(よげ)の程度であった。この輪中には七崎・居倉・森・田之上・唐栗・宮田・大月・呂久・中宮の諸村が属し，行政区域上では他輪中の美江寺(みえじ)・十七条・十八条・重里・古橋の各一部も属していた。明治17年当時は七崎輪中揖斐川藪川堤防組合と称した。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7107679