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禾森輪中
【のぎのもりわじゅう】


大垣市中央部にあり,大垣輪中の内郭輪中。東側を西中之江川(新規川)とそれに続く中之江川が,西側を水門川がそれぞれ南流していて,両者はこの輪中の南端で合する。堤内には寺内町・東水主(ひがしかこ)町・田町・西田町・田町堤通り・世安町・美和町・田口町・問屋町のほか,禾森・築捨(つきずて)の各集落が含まれる(面積2,480反余)。禾森輪中の明治初年の字絵図をみると,禾森村と築捨村との境付近に西中之江川と水門川とを結ぶ堤防があり,その堤防のすぐ北の小字名に「東土居」「西土居」があり,堤防の外に「堤外」の小字名があることから判断すると,禾森輪中は一度その北半だけで輪中を形成した時代があり,その後,築捨村の開拓が進んでより大きな禾森輪中を形成したとみられる。そして,築捨村の小字名には,禾森村よりに西見取・壱番割・二番割があり,南部には西沼・辰起などがあって開拓の新しいことを示している。この輪中の北部を東西に主要地方道大垣一宮線が,また輪中のほぼ中央を南北に国道258号が縦断し,それにつれて都市化が著しく,以前にあった堀田もまったくみられない。しかし,この輪中の堤防はほぼ昔の原形を保持して機能しており,集中豪雨時などになると,堤防を境に水論が起こったりする。明治期には水防倉庫2棟があった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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