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佐治川ダム
【さじがわだむ】


八頭(やず)郡佐治村尾際(おわい)地内にあるダム。千代(せんだい)川中流の佐治川上流に位置する。付近は三郡変成岩類の千枚岩地域で深いV字谷をなし,この地形を生かして昭和47年3月治水の目的では全国のトップをきって建設された重力式コンクリートダム。堤高46.5m・堤長105m・有効貯水量188万t。周辺が急斜面で,沿岸に平地がなく,湖岸・湖面とも観光利用が行われていなかったが,この人造湖を利用する県営発電所建設計画が建てられ,昭和58年2月の運動開始をめざし,同56年9月着工。治水ダムを目的変更して発電所を建設するのは全国で最初。関係5地区(尾際・松本・余戸・舂谷(つくだに)・細尾(ほそお))に対して発電所建設に伴うデメリットのかわりに農業用水路・取水堰・消火栓・防火水槽・通学路・集会所・運動公園などの建設や村道・農道整備などの環境整備を積極的に進めて,地域へのメリットを高めることが特徴的である。発電所は,ダムの上流150m付近に取水塔を設け,佐治川左岸山腹に4.6kmの水路トンネルを建設して水を引き,河本地内の比高164.8m地点から水を落とし,最大出力5,000kwの発電能力をもつ。発電に使用した水は約1km下流の舂谷地内で佐治川に放水する。総工費42.7億円余の予算が見込まれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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