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伊古石遺跡
【いこいしいせき】


西松浦郡西有田(にしありた)町大木字山本にある遺跡。国見(くにみ)山系の東側に派生した標高約130mの小丘陵上に位置している。発掘調査は台地の一部畑地の調査でその全容は不明であるが,確認された住居跡を中心に100m四方に及んでいることが推定でき,この範囲には黒曜石で作られた石鏃や剥片が多く表面採集されている。発掘調査によって確認された遺構は,住居跡と堆石遺構である。住居跡は2.4m×2.8mの方形をなすもので,10~23cmの高さで壁面が確認され,径10~20cm・深さ10cm前後の柱穴が9個存在することも判明している。炉跡はほぼ中央に径50cmあまりの不整円形のものがあり,住居跡の床面もしくは直上より石鏃・尖頭状石器・刃器・剥器・石核などが出土しており,発見された押型文土器から縄文時代早期の住居であることが解明された。近接して当遺跡と同様な矢杖遺跡が確認されており,さらにこの舌状台地から旧石器時代末期のナイフ形石器や細石核が採集されており,旧石器時代末期から縄文時代へかけての遺跡が多く点在することが推定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7215928