100辞書・辞典一括検索

JLogos

19

佐是郷(古代)


 平安期に見える郷名。「和名抄」上総国海上郡八郷の1つ。東急本は「佐三」に作る。高山寺本の郷名は,「地理志料」「地名辞書」ともに「佐弖」と読んでいるが,同書には他に「弖」の字の用例はなく,字形も「弖」とは断じ難い。ここでは高山寺本の郷名の2字目は「是」の字が筆写過程で崩れたものとみなし「佐是郷」として立項した。なお,「地理志料」「地名辞書」ともに「佐弖」は「佐世」の誤りとみなし,郷名は出雲国佐世郷にいた出雲宿禰の一族が当地に移住したことに由来するという。律令制的郡郷制が解体する平安末期には,当郷を中心とする一帯に,中世的所領単位と考えられる佐是郡が成立した。比定地は現在の市原市佐是付近。同所は養老川中流西岸の台地で,佐是古墳群・佐是城跡がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7293897