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布鎌新田(近世)


 江戸期の村名。下総国印旛【いんば】郡のうち。延宝元年大瀬野村が改称して成立。明暦3年以前の開発である古開の北・西・南・下和田の4新田,および寛文年間の開発である新開の利右衛門・七右衛門・源五左衛門・太郎右衛門・中谷・横須賀・押砂・四ツ谷・酒直・脇川・長門谷・四箇村・大森・押付・上曽根の15新田から成り,延宝元年の検地によりそれぞれ高請され,堤普請等布鎌新田としてまとまっていたが,同時に19新田が個々にも把握された。延宝元年の検地による19新田総村高1,763石余,総反別275町8反余で,幕府領となっている。領主変遷は,天保10年から浜松藩領,弘化3年一時幕府領となるが,以後は再び浜松藩領。元禄年間に太郎右衛門新田,享保年間に請方新田が新たに加わるが,「元禄郷帳」以降,郷帳類では布鎌新田1村としては見えず,各新田名に「布鎌」を冠して個別に記載されている。流作場を中心に,享保・寛保年間に検地が行われ,改増された。年貢などは布鎌新田として一括されていたと思われ,元禄6年以後,割元名主1名を各村の年番でつとめている(印旛郡誌)。なお,明治13年に源五左衛門新田・利右衛門新田・七右衛門新田が合併して成立する三和村も「布鎌」を冠称。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7296235