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森山(中世)


 戦国期に見える地名。下総国のうち。天正13年と推定される原若狭守宛ての某書状に「其方一両年も先森山ニ在城候而万端孫四郎(海上孫四郎)ニ助言候者,先無相違歟」とある(原文書/神奈川県史資料編3)。この年,千葉邦胤の死亡に伴って,下総国に対する小田原北条氏の関与が顕著となり,天正16・17年頃には,北条氏政が里見氏に備えるため海上山城守(孫四郎)に当地の警固を命じ,また,しばしば原若狭守にも当地に在城させて海上山城守に協力せしめ,軍役徴発や「森山表」の穀留(物資の流通停止)などの措置を行わせている(原文書12月28日北条氏政書状・3月8日氏政書状・天正17年8月24日氏政朱印状,下総旧事12月12日氏政書状/神奈川県史資料編3)。現在小見川町最南端部に遺構のある森山城は香取・海上郡界の要衝を占め,最初,千葉常胤六男の東胤頼が築いたと伝える(下総国旧事考)。戦国期には千葉介昌胤が次男胤富(千葉介親胤養嗣子)を当地に居住せしめ,弘治3年に胤富が家督を継いで佐倉城(現佐倉市鹿島)に移ると,粟飯原源公入道(胤次)に与えられ,以後粟飯原氏の居城となったという(千葉大系図/房総叢書)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
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