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乙津村(近世)


 江戸期~明治22年の村名。多摩郡小宮領のうち。戸倉村枝郷。はじめ幕府領。宝暦2年から武蔵久喜【くき】藩米津氏の知行地。検地は寛文7年,この時村高265石余をもって戸倉村から分村した。「元禄郷帳」「天保郷帳」の村高はともに265石余,「旧高旧領」では,龍ケ崎藩領分256石余・龍珠院領9石8斗。特産大畑紙は一名「端切らず」と呼ばれ,のち軍道【ぐんどう】・落合を中心に軍道紙として引き継がれて生産されたが現在は絶えている。ほかに筏流し・黒八丈織に従事。小名には,川の合流点を示す落合,道の分岐点追分のほか,陰湿の地を示すといわれる荷田子【にたご】・畔荷田【くろにだ】がある(新編武蔵)。明治4年神奈川県,同11年西多摩郡に所属。同22年小宮村の大字となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7298376