100辞書・辞典一括検索

JLogos

22

飯島町(近世)


 江戸期~明治8年の町名。伊那郡のうち。伊那街道の宿駅の一つ。文禄2年11月19日の飯田城主京極高知定書に「定 飯島」とある(宮下文書/信史17)。飯島宿はもと本郷城の東側段丘下にあったが,この時伊那街道が石曽根村内を通るように付け替えられ,本郷村内上村の住人などが移転して新宿飯島町が立てられた。はじめ幕府領千村氏預り地,元和3年飯田藩領,寛文12年から幕府領となる。石曽根村に含まれるが,「旧高旧領」では別に記され,高756石余。当町の総反別は2町5畝9歩で,寛永11年の飯島町屋鋪之帳(杉屋文書)によれば,間口6~7間,奥行20間もある広い町家が40軒あった。伝馬数28で,年貢は免ぜられていたが,元禄13年~明和9年は,伝馬免許が取り上げられて困窮した。幕府領になると,西裏手に延宝5年飯島陣屋が設けられた。飯島陣屋は駿府陣屋の支庁で,支配は伊那郡の幕府領を中心に,東信,北信から遠江国まで及んだ。慶応4年明治新政府は飯島陣屋を廃して管下の旧領を尾張藩預り地としたが,伊那県を設置し,飯島陣屋跡に伊那県庁を開設した。なお,町は陣屋や本陣のあった中町を中心に北町・南町・新町に分かれていた。明治元年伊那県,同4年筑摩県に所属。同8年飯島村の一部となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7337803