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新野村(近世)


 江戸期~明治22年の村名。高井郡のうち。はじめ森忠政領,慶長8年松平忠輝領,元和2年幕府領,同5年福島正則領,寛永元年幕府領。天和元年尾張支藩領,元禄13年からは幕府領。村高は,「慶長打立帳」662石余,元和8年554石余,「正保書上」も554石余,延宝2年は579石余,「元禄郷帳」581石余,安永9年は583石余,「天保郷帳」592石余,「旧高旧領」594石余。高取藩の陣屋は当地に置かれた。間山の雲井岳に水源をもつ裾無瀬【すそなし】川はすそにいくほど水がなくなる川だが,反面大雨には荒れる川である。そのため,灌漑に利用しにくい川であった。そこで,天水を溜めて灌漑用水としたり,上流で裾無瀬川や十二川を分水して溜池を築き,さらにいくつかの堰を開削して水を有効に利用してきた。貞永元年勧請の社伝をもつ新野神社に神体の剣と宝器の薙鎌がある。この薙鎌を大風のとき竿の先につけて社内に立てると風が止む鎮風の威力があったと伝える。また早魃のとき,旗抗池の水を新野神社に供えるという祈雨神事が明治初年まで続けられた。さらに,新野神社の祭日には神楽殿で氏子が神楽歌を歌い,三番叟・笹舞を続ける。明治元年伊那県,同3年中野県,同4年長野県に所属。同8年高遠村を合併。同12年下高井郡に属す。同22年日野村の大字となる。




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「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7339918