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市場村(近世)


 江戸期~明治22年の村名。高島郡のうち。検地は天正13年,慶長7年など。村高は慶長年間以来191石で幕末に至る(寛永高帳・元禄郷帳・天保郷帳・旧高旧領)。領主は鎌倉期から朽木荘の地頭であった朽木氏本宗で,関ケ原合戦後も引き続き同地を領す。江戸期初頭の当主朽木元綱が領有した範囲は,朽木荘29か村をはじめ,針畑【はりはたの】荘・三谷荘・本荘・広瀬荘・音羽荘および山城久多【くた】荘を含む9,595石で,表向き1万石に満たなかったため,幕府では交代寄合に位置づけられたが,実質は大名に準じて参勤交代をした。当村に置かれた朽木氏の居所は朽木陣屋と呼ばれ,集落が館下に発達。町並みは狭かったが家屋構造には壮大なものがあり,常に物資が輻輳して,僻地の山村としてはかなりのにぎわいを見せた。字名の下市・本町(中市・殿町)・新町(上市)はその名残であり,中市祭祀の蛭子神社は市神かと推測される。明治5年滋賀県に所属。同13年の戸数108・人口500,村民は農業のかたわら他村において炭を焼く者がいた(物産誌)。同18年近隣8か村の市場連合戸長役場を設置。同22年高島郡朽木村の大字となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7368819